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睡眠と脳のパフォーマンス|寝不足がIQテストの点を下げる理由

睡眠不足が集中力・記憶力・判断力に与える影響を解説。脳のパフォーマンスを引き出す睡眠のポイントも紹介します。

寝不足の脳は「軽い酔っぱらい」状態

徹夜明けの脳の働きは、お酒を飲んだときと同程度まで低下するという研究報告があります。17〜19時間起き続けた人の認知パフォーマンスは、血中アルコール濃度0.05%(ビール1〜2杯程度)の状態に匹敵するというのです。

寝不足の日に計算ミスが増えたり、簡単な言葉が出てこなかったりするのは、意志の弱さではなく脳の生理的な限界です。IQテストや資格試験の前夜に夜更かしして詰め込むのが逆効果と言われるのは、このためです。

しかも睡眠不足の影響は、徹夜のような極端な場合に限りません。毎日1〜2時間の不足が1週間続くだけでも、注意力の低下が少しずつ積み重なっていくという報告があります。「毎日ちょっと寝足りない」という状態は、本人が思っている以上に日中のパフォーマンスを削っているのです。

睡眠中に脳がやっている2つの大仕事

睡眠は単なる休止時間ではありません。第一の仕事は「記憶の整理と定着」です。日中に学んだことは、睡眠中に整理され、長期記憶として定着すると考えられています。覚えたい事柄は、覚えた後にしっかり眠ることではじめて自分のものになります。

第二の仕事は「脳の掃除」です。近年の研究では、睡眠中に脳内の老廃物を洗い流す仕組みが働くことが注目されています。朝起きたときに頭がすっきりしているのは、文字どおり脳がクリーニングされた状態だからと言えるかもしれません。

記憶の定着には、眠りの深さの移り変わりも関係していると考えられています。睡眠中は深い眠りと浅い眠りがおよそ90分の周期で繰り返されており、それぞれの段階が異なる役割を担っているという見方が一般的です。途中で何度も目が覚めるとこの周期が乱れるため、時間の長さだけでなく「まとまって眠れているか」も大切になります。

集中力・判断力への影響は想像以上

睡眠不足がまっ先に削るのは、注意力と判断のスピードです。反応時間は目に見えて遅くなり、注意が一瞬途切れる「マイクロスリープ」も増えます。さらに厄介なのは、本人は「自分はまだ大丈夫」と感じやすいこと。パフォーマンスの低下を自覚できないのが睡眠不足の怖さです。

感情のコントロールも影響を受けます。寝不足の日にイライラしやすくなるのは多くの人が経験するとおりで、冷静な判断が求められる場面ほど睡眠の質が効いてきます。

学習面では、寝不足は「覚える力」と「思い出す力」の両方を鈍らせます。同じ勉強時間でも、よく眠れている週とそうでない週では定着の手応えが違うと感じたことのある人は多いはずです。だからこそ試験勉強は、勉強時間より先に睡眠時間を確保する計画から立てるのが合理的なのです。

脳のパフォーマンスを引き出す睡眠のポイント

必要な睡眠時間には個人差がありますが、多くの成人では7時間前後が目安とされています。時間と同じくらい大切なのがリズムです。毎日ほぼ同じ時刻に寝起きすると体内時計が安定し、同じ睡眠時間でも日中の頭の冴えが変わってきます。

寝る直前のスマートフォンは、画面の光と情報の刺激の両方で入眠を妨げます。就寝30分前からは画面を見ない、寝室を暗く静かに保つ、カフェインは夕方以降控える——古典的ですが、この3つだけでも睡眠の質は大きく改善します。

「週末の寝だめ」で平日の不足を取り返そうとする人も多いですが、寝だめだけでは睡眠不足の影響を十分に取り戻せないと言われています。さらに休日に昼まで眠ると体内時計が後ろにずれ、月曜の朝がつらくなる悪循環に陥りがちです。休日の起床時刻は平日プラス1〜2時間以内に抑えるのが現実的な落としどころです。

眠りやすくなる夜のルーティン例

具体的な夜の過ごし方としては、就寝の90分ほど前に入浴を済ませ、その後は照明を落として過ごし、寝る30分前からは画面を見ない——という流れがよく紹介されます。入浴で上がった体温が下がっていくタイミングと眠気が重なりやすいと言われており、お風呂の時間を意識するだけでも寝つきが変わる人がいます。

一方で、寝る直前の激しい運動や熱すぎるお風呂、就寝間際の食事は、体を興奮モード・消化モードにしてしまうため避けたいところです。夜のルーティンは「毎晩同じ流れにする」こと自体にも意味があります。決まった流れを繰り返すうちに、体が「この流れが来たら眠る時間」と学習してくれるからです。

昼間の眠気には「短い仮眠」という選択肢

どうしても眠い午後には、15〜20分程度の短い仮眠が有効と言われています。机に伏せて目を閉じるだけでも、その後の集中力や気分の回復が期待できます。ポイントは長く眠りすぎないこと。30分を超えて深い眠りに入ってから起きると、かえって頭がぼんやりする状態が起こりやすくなります。

仮眠の直前にコーヒーなどでカフェインをとっておくと、目覚める頃にちょうど効き始めるため、すっきり起きやすくなるという工夫も知られています。ただし午後遅くの仮眠は夜の寝つきに響くため、仮眠は15時頃までを目安にするのがおすすめです。

睡眠と脳のミニFAQ

Q. 結局、何時間眠ればいいのですか?——A. 必要な睡眠時間には個人差があり、6時間台で足りる人もいれば9時間近く必要な人もいます。目安になるのは「日中に強い眠気なく過ごせているか」です。昼間の会議や読書のたびに眠くなるようなら、睡眠が足りていないサインかもしれません。

Q. 短時間睡眠に体を慣らすことはできますか?——A. 本人は慣れたように感じても、注意力などの低下は続いているという報告があります。生まれつき短い睡眠で平気な人はごく少数と言われており、多くの人にとって睡眠時間の削減は、後で返すことになる借金と考えたほうが安全です。

Q. 寝つきが悪いときはどうすればいいですか?——A. 眠れないまま布団の中で粘り続けると、「布団は眠れない場所」という結びつきができてしまうと言われています。20分ほど眠れなければ一度布団を出て、暗めの部屋で静かに過ごし、眠気が戻ってきてから入り直すのがひとつの方法です。

Q. 寝る前の勉強は意味がありますか?——A. 覚えたことは睡眠中に整理・定着すると考えられているため、暗記もの(英単語や用語など)を寝る前に確認してそのまま眠るのは、理にかなった方法と言えます。ただし夜更かしして勉強時間を延ばすのは本末転倒です。

ベストコンディションでテストに挑もう

当サイトの潜在IQテストや記憶力テストに挑戦するなら、よく眠れた日の午前中〜昼がおすすめです。同じ問題形式でも、コンディションによってスコアが変わることを実感できるはずです。

テストの記録を睡眠時間と一緒にメモしておくと、自分にとって何時間眠れば頭が働くのかという「適正睡眠時間」の見当をつける材料になります。数字で見える化すると、つい夜更かししてしまう夜への向き合い方も自然と変わってきます。

逆に言えば、寝不足の日のスコアが低くても落ち込む必要はまったくありません。それはあなたの能力ではなく、脳の電池残量の問題。しっかり眠って、もう一度挑戦してみてください。

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